53.「周りを喜ばせるために子どもを作るのではないでしょ。」そんな事分かってる。

不妊治療

先日転院したクリニックより

「なかなか厳しいと思います。卵子提供も考えてみてください。」

といきなり言われました。

その後、様々な葛藤がありながらも卵子提供・養子縁組・里親制度を調べ

夫婦2人でたくさん話し合い、私達夫婦の中での優先順位に気が付きました。

【自己卵子での出産】よりも

【どのような形であれ自分達の子どもを育てたい】

もちろん自己卵子での出産に超した事はありませんが時間と年齢は止まってくれません。

いつか必ず自己卵子での出産が出来ると分かっていれば、

お金も時間も余るほどあるのであれば、自己卵子での治療を続けます。

でも私の今の身体の状況を考えると正直難しいのかもしれないというのは

さすがに感じてきています。

それに加え正直なところ

始め家族が自分の子どもを笑顔で抱っこしているのを見たい。

祖母と自分の子どもが笑顔で話しているのを見たい。

という気持ちもとてもあります。

両親や親せきなど、周りから子どもの催促をされたことは有難いことに一度もありません。

でも以前母に、

「周囲からおかきちゃんの子どもは?って聞かれることない?」と聞いた事があります。

(母の職場の方や友人は私も仲良くさせてもらっていて私の結婚式にも参加してくださいましたが、不妊治療の事は伝えていません。)

すると母は堪えきれなかったみたいで、

唇を震わせ涙をにじませながらうなずきました。

「言われる事はある。でも私はおかきが元気でいてくれたらそれで十分。

みんなそれぞれのいろんな人生があるんだから、おかきのペースでいいんだよ。」

と言ってくれました。

恐らく結構な頻度で周囲から言われているのだと思います。

私が採卵が中止になった日、なぜか母の職場で私が妊娠したとの噂が広まった事があります。

採卵中止の事実を知っているがゆえ、「おかきちゃん妊娠したんだってね!おめでとう!」

と言われ何と返したら良いのか分からなかった母の胸中を思うと本当に胸が痛みます。

それでも、”おかきのペースでいいんだよ” と言ってくれる母に

本当になんというか…ありがとうというしかありませんでした。

自慢の母でとても尊敬しています。

母のような母になりたいと心から思います。

私が母を想っているこの温かい気持ちと同じ気持ちを

いつか自分の子どもにも体験してほしい。

そんな子育てをしたい。

そして私の実家はとても田舎です。

田舎はプライベートな話が半日もあればあっという間に広がります。

そして友達同士の家族もとても仲が良いです。

私の幼馴染2人は子どもがそれぞれ2人ずついます。

その中でも結婚したのが1番早かったのは私でした。

私がたまに実家に帰ると

祖母から私の幼馴染の子の話しをよく聞きます。

(私達友達同士よりも、祖母と幼馴染の家族の方が会う回数がなぜか多いのです)

でも祖母は私に対して子どもを催促する話は一切してきません。

しかし一度 

「ばあちゃん、私の子ども見たいと思う?ひ孫欲しい?」

と聞いた事があります。

祖母は

「うん。でもまだ考えてないんでしょう?

おかきが子ども出来たら一緒に出掛ける事も少なくなるし。」

と言われました。

私はよく祖母と2人でご飯を食べに行きます。

2人で泊りがけの旅行に行った事もあります。

祖母からしたら、”子どもが出来ない”という概念が無いのでしょう。

あくまで”まだ欲しくないと思っている”と受け取っているようでした。

でも私は少し楽になりました。

こういう経緯もありやはり

両親を始め家族、祖父母などの喜ぶ顔が見たい。

喜んで欲しいという気持ちは大きくあります。

家族や私達自身にいつ何が起きるのか分かりません。

”周りを喜ばせるために子どもを作るのではない”

と昔とある人に言われたことがあります。

そんな事は分かっています。

分かっているけど、そう思ってしまうんです。

ダメなんでしょうか?

子どもを授かった後、

何かのタイミングで ”周りを喜ばせたかったから産んだのに”

と言う不満が出てくるとそれはおかしいでしょと言われるのなら分かります。

授かる前にこの気持ちがあるのは間違いなのでしょうか?

もし間違いだと言われても、この思いは無くなりませんが。

何年かかろうと自己卵子での採卵を続けるのか、

卵子提供に挑戦するのか、

里親制度を利用させていただくのか、

養子縁組の選択をするのか。

こういうのは

何が ”正解” とかではなく、何を ”決断” するか。

”前向き” と ”なんとかなるさ” も紙一重だと思うので、

出来るだけポジティブに、

でも冷静に落ち着いて自分たちの中にきちんと落とし込んでいこう。

夫婦2人の中でその気持ちを念頭に、じっくり考えました。

そして、

≪ あと1~2回自己卵子で挑戦してみても上手くいかなかったら卵子提供にしよう ≫

そう決めて、体外受精5回目が始まります―。

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